ScientificConstants[AddConstant] - 物理定数の定義の追加
使い方
AddConstant( full_name, value_eqn, opts )
AddConstant( full_name, derive_eqn, derive_opts )
パラメータ
full_name - 名前; 追加したい物理定数のフルネーム。ScientificConstants パッケージ内にある物理定数の名前または記号と一致しないもの( 'check=false' オプションが与えられている場合を除く)。
value_eqn - 物理定数の値を定義する 'value'=value_obj の形の等式; value_obj は、constant 型であるか、または constant 型として評価される Constant() オブジェクトを含む必要があります。
opts - (オプション) option=value の形の等式; ここで option は、'symbol', 'uncertainty', 'units', 'check' のいずれか; 導出されない物理定数定義のためのオプション指定。
derive_eqn - 導出される物理定数を定義する 'derive'=derive_obj の形の等式; derive_obj は、algebraic 型で、記号または物理定数の名前を少なくとも1つ含む必要があります。
derive_opts - (オプション) option=value の形の等式(複数可)。ここで option は、 'check' または 'symbol'; 導出される物理定数定義のためのオプション指定。
|
説明
|
|
•
|
AddConstant( full_name, value_eqn, opts ) コマンドは、ScientificConstants パッケージに導出されない物理定数を追加します。
|
•
|
AddConstant( full_name, derive_eqn, derive_opts ) コマンドは、ScientificConstants パッケージに導出される 物理定数を追加します。
|
•
|
物理定数が追加されると、その定数へアクセスするために指定したフルネームまたは記号が使用されます。
|
•
|
'derive'=derive_obj の形の等式 derive_eqn で、式 derive_obj は、一般に、有理数冪の数値、maple の定数、物理定数とみなせるもの (たとえば、記号)の積です。 例外として、関数 abs と、次元的に矛盾のない被加数の和(sum ) があります。
|
•
|
opts と derive_opts 引数は、物理定数を指定する、1つまたは複数の以下の等式を含みます。
|
|
'check'=true の場合、AddConstant は、与えられた名前または記号がパッケージ内にある物理定数の名前または記号と一致するかどうかをチェックします。一致する場合、エラーが返されます。'check' のデフォルトの値は、true です。'check'=false の場合、AddConstant は矛盾する物理定数をパッケージから削除します。一致する定数が、導出された物理定数の定義でカレントに使用されている場合には、削除は行われません。
|
|
このオプションは、物理定数の記号を定義します。ScientificConstants パッケージ内にある物理定数の名前または記号と一致してはなりません( 'check=false' オプションが与えられている場合を除く - 以下参照)。
|
|
物理定数の定義に 'symbol' の等式を含まなければ、そのフルネームが記号として割り当てられます。
|
•
|
opts 引数は、導出されない物理定数を指定する、1つまたは 複数の以下の等式も含むことができます。
|
|
'uncertainty' = uncertainty_obj
|
|
このオプションは、その物理定数に対して知られている精度を定義します。uncertainty_obj オプションは、constant 型からなる(または Constant() オブジェクトを評価した後にその型となる)か、あるいは、[uncer, uncertainty_opt] の形のリストでなくてはなりません。このリストで、uncertainty_opt は 'relative' または 'uld' を、uncer は constant 型(または Constant() オブジェクトを評価した後にその型となる)を表します。
|
|
不確定性のオプション uncertainty_opt が含まれない場合には、その値は、「絶対的な」不確定性を持つ物理定数として表されます。これは、その値が 'units' オプションで決められた単位で計測されていることを意味します。
|
|
uncertainty_obj が [uncer, 'relative'] の形式である場合には、uncer は物理定数の値として、「相対的な」不確定性を持ちます。量 uncer*value_obj は、物理定数の「絶対的な」不確定性を持ちます。
|
|
uncertainty_obj が [uncer, 'uld'] の形式である場合には、uncer は物理定数の値として、「最少数の単位による」不確定性を持ちます。量 uncer*SFloatExponent(value_obj) は、物理定数の「絶対的な」不確定性を持ちます。この不確定性の形式は、浮動小数点数でない数 value_obj と共に使用することはできません。
|
|
'uncertainty' オプションが指定されない場合には、不確定性は undefined という状態になります。
|
|
このオプションは、値あるいは不確定性が計測された単位を定義します。units_obj オプションは、単位としての Units[Unit] の表現または Unit() 標準形で表される式となります。詳細な情報については、 Units パッケージの概要 を参照して下さい。
|
|
'units'=units_obj が指定されない場合には、units は 1 という単位になります。これはその物理定数が次元を持たないことを意味します。
|
|
|
例
|
|
>
|
with(ScientificConstants):
AddConstant( Hooke1, symbol=k1, value=2.3, uncertainty=[0.1, relative],
units=N/m );
GetConstant( k1 );
|
| (2.1) |
>
|
AddConstant( C, value=3.0 );
GetConstant( C );
|
| (2.2) |
>
|
AddConstant( Hooke2, symbol=k2, value=2*Constant(k1),
uncertainty=2*GetError(Constant(k1)), units=GetUnit(Constant(k1)) );
GetConstant( k2 );
|
| (2.3) |
>
|
AddConstant( Hooke2d, symbol=k2d, derive=2*k1 );
GetConstant( k2d );
|
| (2.4) |
| (2.5) |
>
|
( GetValue, GetError, GetUnit )( % );
|
| (2.6) |
>
|
GetConstants( derivedfrom=k1 );
|
| (2.7) |
| (2.8) |
>
|
AddConstant( electron_proton_mass_ratio, symbol=`m[e]/m[p]`, derive=m[e]/m[p]
);
Constant( `m[e]/m[p]` );
|
| (2.9) |
>
|
( GetValue, GetError )( % );
|
| (2.10) |
| (2.11) |
|
|
参照
|
|
Initial Physical Constants, 物理定数の概要, ScientificConstants, ScientificConstants[Constant], ScientificConstants[GetConstant], ScientificConstants[GetConstants], ScientificConstants[GetError], ScientificConstants[GetUnit], ScientificConstants[ModifyConstant], SFloatExponent, Units
|
|