QRDecomposition(M) コマンドは、行列 M の QR 分解を返す maplet を表示します。

QR 分解の定義は、maplet 内で与えられます。

Full QR factorization チェックボックスを選択することで、通常は M が フルランクの場合だけに実行される、完全な QR 分解を実行するためのルーチンが、強制的に起動されます。

Output ドロップダウンボックスを用いることで、ワークシートに返される出力の制御を行います。

注意: M が浮動小数点数の成分をもち、R および rank が Output に含まれている場合、返されるランクは M のランクではありません。詳細な情報については、 LinearAlgebra[QRDecomposition] を参照して下さい。

Matrix has real values チェックボックスを用いることで、使用されるアルゴリズムの制御を行います。行列が実成分からなる場合、速いアルゴリズムが使用可能です。デフォルトの値は、has(M, I) の値を用いて決定されます。has(M, I) は、M が複素成分からなる場合は、true を返します。つまり、デフォルトでは、M が複素成分を持たない場合にのみ、このオプションは選択されます。

注意: Matrix has real values が選択され、かつその行列が複素成分を含む場合には、正しくない結果が返されることになります。

Upper-triangular shape and storage for R チェックボックスを用いることで、返される行列 R の形式の制御を行います。

Return read-only matrix(ces) チェックボックスを用いることで、maplet の返す行列を読み込み専用とするかどうかを制御します。デフォルトの挙動は、返される行列は読み取り専用でないとなっています。

Evaluate result チェックボックスを用いることで、要求された出力、またはワークシート内でこの出力を計算するのに必要な呼び出し手順のいずれを、maplet が返すのかを制御します。デフォルトの挙動は、結果の評価を行うこと、つまり要求された出力を返すことになります。

QRDecomposition sample maplet worksheet では、このルーチンにより表示される maplet と同様の機能を持つ maplet を書く方法について、実演されています。

with(Maplets[Examples][LinearAlgebra]):
QRDecomposition(<<1,3>|<2,5>|<5,7>>);